プレゼント
立ち止っては上を向いた
それは特に意味もなく首を動かすだけの行為だった
空を見るわけでもないし雲や飛行機を見るわけでもない
ただなんとなくそうしたくなっただけ
また歩き始めることにした
相変わらず人が少ないこの通りは活気に満ちていない
歩くたびに街が広く感じる
そんな街を歩いて、ようやく目的地に着いた
横に茶トラの猫が居た
近づこうとしたが逃げられてしまった
みんなそんな風に逃げていくのだろうか
そんなことはどうでもいいけど
きっとまた優しくなって私を磁石の様に引きつけるのだろう
きっとその時になれば私はまた俯くだろう
どうにかできないかと自分に話しかけるけど
もちろん答えなどない
またもう一度プレゼントをしてみよう
そこまでの道が相変わらずであったとしても
欲しがっている物がわからなくても
私は茶色い塔を目指して走りだした